☆彡三味線練習法 みおつくしメソッド20200305

 私は中学・高校とブラスバンド部でパーカッションやトランペットを担当していました。その頃よく言われたのが

「1日休めば自分にわかり、2日休めば仲間にわかり、3日休めば観客にわかる」という格言。ご存じの方も多いでしょう。

 実際のところ「そんな数日休んだくらいで他人にわかるわけないよ」と今の私は思っています。

 といっても、お稽古を休み休みしていいと思っているわけではなく、芸ごとをしている以上基本的には毎日お稽古すべきと思っていますし、できる限りそうしています。それはどんなに偉い人でも同じことで、文楽の人間国宝であった故・竹本住大夫師匠は「文楽みたいな難しいもん、死んでからでも稽古せなあかん」とか「一生では足らん。二生ほしい」とよくおっしゃったものです。

  私が一番たくさんお稽古していた頃は、1年のうちお稽古を休むのは持病の頭痛がどうにもならんかった2~3日くらい。夜に人と会う予定がある日は早起きして早朝にお稽古しましたし、失業していた時に毎日4時間ノンストップで弾いていたこともあります。ノンストップというのは「休憩しない」という意味ではなく、1曲を間を空けずに繰り返し1時間演奏し、終わったら間を空けずに次の曲を1時間……という具合です。アホでしょ。

 今はそんなアホなことはしません。完璧主義はよくないので忙しかったり体調がよくない日はお稽古をサボることにしています。平均すれば週1回くらいはサボっているでしょうか。お稽古できない代わりに三味線の手入れをするといったことも敢えてしません。会社のある日は遅番なので午前中にお稽古してその間に夫が朝ご飯を作ってくれます(💛)早番だと帰宅してからお稽古しようと思っても疲れ切っていてできなかったりしたので、昨年から遅番のみのシフトにしてもらっています。このペースができあがっているので、休みの日の方がかえって雑用に追われてお稽古できなかったりもします。

 ノンストップのお稽古をしていた頃はヒマでアホやったなあと思いますが、反面あの頃のお稽古が今の土台を作っているような気がしたり、それだけのハードなお稽古もしてきたというのが自分への信頼にもなっています。

 それはさておき、どうしてもお稽古に身が入らないとき、やる気が起きないときなどはどうすればよいでしょうか。そういうときは思い切って休むのがいいと言う人もいますが、私はそれには反対で、むしろやる気の出ないときほど休んではいけないと思っています。で、どうするかというと、何も考える必要はなく普段弾いている曲を下手でもいいから淡々と機械的にただ弾くのです。そうすると、たとえレベルの低いお稽古になったとしても、とにかくその日30分なり1時間なりお稽古したという実績はできます。こういう目に見える実績を積み上げていくことこそが訓練であり大事なことなのです。

 小学校の頃、計算ドリルや漢字ドリルがあったでしょう。機械的な反復練習に反発したり、もっと深く考えさせるような勉強が必要だとか言う大人がいたりしました。でも私が大人になってから知ったことによると、あのドリルというのは教育学上大変意味のある事なんだそうです。毎日毎日決まった量を機械的にこなし、反復することで学習自体を習慣化し、継続し、自主的に行う力の基となったりするそうです。調子の悪いときでもお稽古すべきだと私が思う理由がこのドリル学習理論です。

 三味線演奏の不調というのは経験年数などにかかわりなくたびたび訪れてくるものですから、不調のたびにやる気をなくしたり不調のたびにお稽古を休んでいたら、いつお稽古できるねん、やる気のあるなしにかかわらずお稽古はするもんやと決めておかなあかん、ということなんです。

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コメント: 2
  • #1

    西川 (金曜日, 06 3月 2020 08:42)

    なる程、、、大変勉強になりました^ ^
    地道に淡々と^_^ですね。

  • #2

    雛澪 (土曜日, 14 3月 2020 13:22)

    西川さん、お互い地道に頑張りましょう! またよい情報があれば教えてね。