☆彡映画「天外者」ほかつれづれ

 三浦春馬さん主演の映画「天外者」を観ました。すごくよかったけど、映画に感動しているのか歴史的事実に感動しているのかがよくわからなくて。とにかく、幕末~明治にかけてのあの、世の中を変えるために人生をかけた若者たちの生きざまは本当にすがすがしくて頼もしくて、観ていて心が豊かになりますね。そして自分には何ができるのだろう、自分にできることを精いっぱいやらなくちゃ、という気持ちになります。春馬さんもよかったし三浦翔平さんもすごく龍馬っぽかった。それから西川貴教さんの演技のうまさにビックリしました。

 あと、数年ぶりにNHK出版の「5人の落語家が語る ザ・前座修行」を読みました。10年余り前の本で、今よりちょっとスリムな立川志らくさんも載っています。三味線の世界に入門してから折に触れ読み返していますが、芸を志す者としての心の持ちようなどとても参考になりますし、その時の自分の成長度合いによって、読むたびに感銘を受ける箇所が違うのも面白いです。

数ある芸能の中でも落語の世界は特に師弟関係、礼儀などについて厳しいのではないでしょうか。しかしこの本は、そういう特殊な落語家の世界を紹介している本のようであって、実は一般社会においても大切に考えるべきこと、なのに忘れがちなことについてたくさん書かれているのです。

 今回私が特に感銘を受けたのは、林家正蔵さんの項です。言わずと知れた昭和の爆笑王、初代林家三平さん・海老名香葉子さん夫妻のご長男。ああいう芸人一家のような厳しい環境に育った方というのはやはり考え方に確固たる芯があって、人間力のようなものを兼ね備えておられるのだなあと思いました。

 そういえば、私がよく落語会の出囃子を弾かせてもらっているカルチャーカフェ上方さんでアマチュア落語家さんたちが話しているのを聞いたのですが、学生時代に東京の大学で「東西対抗学生落語大会」みたいなのをやった時に、初代三平さんがゲストとして来られたそうです。あの大物の三平さんが、ものすごく気さくな優しい方で、舞台でお客さんに接するのと全く同じ雰囲気で楽屋でも学生たちに冗談を連発して笑わせてくれたとか。何十年とたった今でもみなさんそのことを懐かしそうに話されていました。