昨日は1人ランチで千日前のクレープリー・アルションへ。予約なしだが地下の席なら空いてるとのこと。2階~3階の席は通路が狭くガヤガヤしていてパリのビストロ感満載だけど、地下に通されるのは初めて。身長152㎝の私でさえ頭がつかえる低い天井のやたら急な階段を下り、映画に出てきそうな秘密の部屋のイメージにテンションもアップ!
地下の方が空間的には広々としている。本日のランチはチキンの薫製とラタトゥイユのガレット。美味!!
その後、文楽劇場の「上方演芸特選会」へ。何種類もの芸能をいっぺんに楽しめるイベント。トリは露の新治さんの落語「抜け雀」この話はいいですね。慢心してはいけない、というところ、芸を志す人なら誰もがグッとくるのではないでしょうか。そして私の記憶に間違いがなければ「男はつらいよ
寅次郎夕焼け小やけ」で、宇野重吉演じる老画家がふすまに描いた小鳥が朝日を浴びて飛び回るシーンがありました。そういえば山田洋次監督は落語の脚本も書いてたっけ。あのシーンは「抜け雀」からの引用なのだなと初めて気づきました。
複数の芸術芸能を渡り歩くとき、意外な繋がりに気づいて嬉しくなることがあります。
子供の頃、浪曲の「妻は夫をいたわりつ夫は妻に慕いつつ~」というフレーズが流行っており、テレビでよく耳にしました。「なんか変だな。夫と妻が反対なんじゃないの?」とものすごく違和感を感じたのを覚えています。ところが2年ほど前、須藤雲栄先生の「津軽おはら節(浪曲入り・壷坂霊験記)」をCDで聴いていた時に、あぁそうなのか~!
とやっと謎が解けたんです。壷坂の主人公沢市は目が見えないので「妻は夫をいたわりつ……」なのです。子供の頃に聴いた浪曲のワンフレーズと、今までに何度も見ていた文楽の「壷坂観音霊験記」と津軽民謡が見事に繋がって50年来の違和感が払拭された気持ちよさといったら!
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kirokuya (土曜日, 19 11月 2022)
抜け雀 古今亭志ん朝口演で聴き返しました。親子とも名人の噺、面白いです。上には上が居る。たしかに左様。それと、サゲが江戸と上方では別物みたいですが、私は上方落語の方が身に沁みます。
寅さんでの宇野重吉さんシーンは覚えてませんが、たしかにクロスオーバー(恥ずかしながらこの英単語知りませんでしたので辞書‥)を感じることはよくありますね。パクりと言うてもうたらあかん!今風に言うたらリスペクト?ですかね。
当ブログでいろんなこと触発されてます。ちょっと賢こなる時間です。おおきに‥
kirokuya (土曜日, 19 11月 2022 04:19)
そう‥今日は上方落語研究家夢うつつさんとこでしたね。
ほなあとで‥
栄月 (土曜日, 19 11月 2022 14:06)
わが師匠夫妻の、壷坂霊験記入りのおはら節!毎日のように聴いております。
最高傑作とか言うのは失礼かもしれませんが、そう思います。
雛澪先生も、ご夫婦でされたりしませんか?
密かにご期待します。
抜け雀(少し前落語で知りました)にしても、霊験記にしても、
昔から芸能にはファンタジーがあったのですね。
今流行りの綺麗なアニメにでもなれば、普通にバズりそうです。
雛澪 (日曜日, 20 11月 2022 22:31)
kirokuyaさん、江戸と上方でサゲが違うんですか。上方が「かごかかせた」なのでしょうか。あと、普段から気になってるのですが、サゲとオチという言い方の違いも地域的なものなんでしょうか。
何を隠そう私もブログ執筆時に「クロスオーバーとは」で辞書検索しましたへへへ。
普段なんとなく知っている言葉でも、自分が使うとなると……ことに公の文章となると非常に責任を感じるので、正確な意味や用法を調べたくなります。たいてい自分の考えてるのであってるんですけどね。
最近は新聞記事でも変な言い回しがあったりして、ひどいなあと思います。「日本語のマナー事典」でも作りたいくらいです。
雛澪 (日曜日, 20 11月 2022 22:47)
栄月さん、「壷坂観音霊験記」は、文楽の演目としては数少ないハッピーエンドのお話で、大好きです。奈良県にある壷阪寺が舞台です。観音様のご利益で目が見えるようになった沢市が、長年連れ添った妻のお里に「どなたぢゃえ? お初にお目にかかります」と言うところでドッとお決まりの笑いが起こるんです。
夫婦で演奏できたらいいんですけど、津軽民謡と一般民謡はかなり唄い方とが違うので難しくて……またそのうちね。
kirokuya (月曜日, 21 11月 2022 02:53)
江戸落語:親を駕籠かき(画く、書く)にさせた。
*身分制度のなか、かの職業は蔑視されてました。
~親に恥をかかせた。
上方落語:カゴとは、そうれん(古い上方言葉で葬式の意)の棺桶のこと。かく(これも上方言葉で、持つとかかつぐの意。この噺では後者)。
*親に棺桶をかつがす~親より先に死ぬ~親不孝。
の違いだと認識してます。
サゲとオチは同じかな。ただ江戸落語の噺家が、サゲと言うのを聞いたことがないので、サゲは上方の言い方なのでしょう。
詳しくは、夢うつつ先生にお確かめいただくか、ググって(この言葉も最近知りました)みてください。
雛澪 (月曜日, 21 11月 2022 23:19)
そりゃ上方式の方がいいですね。
以前に何かで読んだひとこと小話「この言葉、yahooでググってみて~」