津軽三味線の高橋栄香先生と私の夫、高橋栄水が出演する「とよの和の芸能
晴れ舞台」に行った。途中で夫の独奏があるため栄香先生が一旦退場するのだが、その時、小学生くらいの男の子がお祖母さんと一緒に走り出てきた。ご祝儀を渡したかったようだ。しかしタイミングが遅く舞台前に到着した時にはもう栄香先生の後姿は舞台袖へ。
トホホな顔をしている二人に私は「後でまた出て来られるから大丈夫ですよ」と言った。夫の独奏が終わり、再び栄香先生登場。待ち構えていた少年が、演奏前なのに渡しに行こうとするので私は慌てて「まだまだ!」お祖母ちゃんに「その時になったら合図しますからね」と言った。
そうは言ったものの、肝心の私が合図のタイミングを外したらどうしようと、いろんなことが気になりだす。同じように遅すぎて栄香先生が去ってしまったら、今度こそ2回目のチャンスはない。でもそれを気にして早く行きすぎると、先生がビックリしてあらら、とよろけて三味線をぶつけてしまうかも。それにもし、合図をしたのにお祖母ちゃんが気づいてくれなかったら。または合図をする前に私が急におなかが痛くなったらどうしよう。あるいは急な睡魔に襲われたら……。
いろんな想像が頭の中を駆け巡り、演奏を聴きながらも心臓がドキドキ。恐らく3人ともそうだったみたいで、合図をすると言ったにも関わらず、栄香先生の独奏曲が終わった瞬間にお祖母ちゃんが必死の形相で「い、今でしょうか?」と聞いてきた。少し早いと思ったが「はい、行ってください」とお答えした。
無事お渡しできて3人がほっとする。お祖母ちゃんだけでなく少年からも「ありがとうございましたっ!」ととても丁寧な挨拶があったのが印象的だった。
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kirokuya (月曜日, 03 2月 2025 04:10)
栄水さんの演奏聴くどころではなかったですね。でも無事に、栄香さんに渡せて良かったです。雛澪さんの緊張感が伝わってきました。
祖母、孫さんは雛澪先生のご指導で、タイミングを完璧習得されたことでしょう。ほのぼの。
雛澪 (月曜日, 03 2月 2025 16:17)
イヤイヤ、演奏はしっかり聴きましたよ~。
ドキドキしながら。