☆彡映画「ジュラシック・ワールド/復活の大地」

 ジュラシックシリーズっていつからB級娯楽映画になったんだろう? 1作目を映画館で3回観てそのたびに号泣していた私には、もうこれ以上ジュラシックシリーズを撮るのはやめようよ、もうすでに撮り過ぎたよ、というのが正直な感想である。

 シリーズ作目の本作には、過去作、とりわけ~4作目が持っていた情緒的なものが少しも感じられなかった。これでもか、と繰り返される恐竜との遭遇シーンや襲撃シーンは単純なパニック映画と称する以外の何ものでもなく、ゆえにそれほど怖さを感じない。人間ドラマも薄っぺらのペラペラ。

 一番許せないのは、恐竜が少しも美しくないというところだ。頭脳戦で人間を襲うヴェロキラプトルの残忍さを内包した美しさ、草食恐竜ブラキオサウルスの穏やかな立ち姿、モササウルスの重量感、トリケラトプスの愛嬌、プテラノドンの優美な飛翔、そして王者たるティラノサウルス・レックスの巨大さと寛容さ、強さ……そういった美しさが全くない。

突然変異などによって生成した恐竜は、体や顔がものすごく不細工である。それにティタノサウルスの夫婦が寄り添っている様子など安っぽい4コマ漫画みたい。この映画では恐竜を単なるキャラクターとして描いてしまっているのだ。時には人間の友人となり、時には人間を襲いその生命を脅かす、人間と対等である生命体としての恐竜という描き方が過去作にはあった。そこに私たちは感動していたのに、今回はそれが全くなかった。

唯一救いなのは、俳優陣の熱演と、広角で撮った風景の中に無数のティタノサウルスが闊歩していたシーンが美しかったことくらいかな。

  2025年ワースト1の呼び声高し。

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コメント: 10
  • #1

    kirokuya (木曜日, 21 8月 2025 02:59)

    映画館で観るのは1作め以来かな?32年ぶり…途中ダラダラグタグタっぽかったので、TVに流れてきたさくひんは観てました。で今回は、SCREEN Xなる仕掛けに乗ってみた、正面のスクリーンにプラス両サイド全面スクリーン。

    さて本編。筆者さんの感想に同意。ぷ

  • #2

    kirokuya (木曜日, 21 8月 2025 03:30)

    プラスするなら、突然変異だの遺伝子操作だので恐竜の形をイジリすぎましたねクリエーターさん達!終いには、映画*エイリアンか?みたいな頭した恐竜まで出てきよったがな。やりすぎでっせ。壮大な見世物小屋として観ていた。SCREENX は少なくとも実写映画には必要なかった。アニメ用?
    2.8評価。

    ワーストワンは次の日に控えていたのだ。菅野美穂主演ホラー映画*近畿地方…のナンチャラ、題名に惹かれて行ったが、やらかした!
    2.5評価(私的最低点)
    本題から外れるので諸々略。

  • #3

    kirokuya (木曜日, 21 8月 2025 04:22)

    *ジュラ……
    評価変更 3.3
    見世物小屋と評したとおり、VFX、CG駆使の映像表現はさすが本場!お見事でした。
    筆者さんの感想に引っ張られてしまいました。

  • #4

    雛澪 (木曜日, 21 8月 2025 22:57)

    >>エイリアンか?みたいな頭した恐竜

    笑いましたね~。

    IMAXとか4Dとかよくわからないんですけど、映画は平面芸術だと思っているので
    普通に上映してほしいんです、私は。
    なんばTOHO(かつて南街会館のあったところ。映画発祥の地)で普段は観るんですが
    今回はそれ系の上映とか吹替上映が多く、唯一平面上映のスクリーンは轟音上映
    しかもすごく狭い会場だったので恐竜映画には不似合いと思い梅田のTOHOで観ました。

    >>ワーストワンは次の日に控えていたのだ。*近畿地方…

    よかった。観に行かなくて。

  • #5

    kirokuya (金曜日, 22 8月 2025 14:50)

    興行的にそこそこヒットした映画作品はシリーズ化されますが、この
    *ジュラ…も1作めが良かったです。思いつくまま…
    スターウォーズ
    エイリアン
    ダーティハリー
    旗本退屈男
    一心太助…
    それこそ5万とあります。
    例外は、私的には、
    ターミネーターと
    男はつらいよ
    くらいのもんです。

    *ジュラ…にもどせば、例えばあの草食系のチビ恐竜、早々に登場してきたから、伏線として後の展開でなんかエエ仕事してくれんのかな?と思って観ていたら何もなかった!何やったんや、そのエピソード要るか?みたいな無駄が多く残念。初期作の計算された展開は何処へやら…
    スピルバーグ監督作品には、過去存分に楽しませていただいたが老いたのか。多分、今作限りになるかも?

  • #6

    雛澪 (金曜日, 22 8月 2025 23:27)

    そうそうチビ恐竜、謎でしたね~
    1作目はあらゆる面ですばらしいです。不朽の名作!
    1作目には及びませんが、2,3,4もかなりいいです。
    よく考えたら48作すべて魅せる寅さんはものすごいことですね。
    もちろん、そんなすばらしい寅さん作品にもレベルの高い争いですが優劣はあります。
    今思いつくワースト1は、長渕+志穂美夫妻のやつかなあ。

    寅さんあるある:ものすごい寅さんファンであっても、各作品の正式タイトルが
    わからない(あまりタイトルと内容が連動していないため)

  • #7

    雛澪 (金曜日, 22 8月 2025 23:34)

    追記

    シリーズものと言えば、忘れちゃいけない「ダイハード」
    1作目は最高、これも不朽の名作。
    2作目はちょっと毛色が違うけど、こちらも大好き。
    後はハッキリ覚えてません。犯人からのなぞなぞとか出てきた時点でアウト。

  • #8

    kirokuya (土曜日, 23 8月 2025 04:26)

    *寅さん シリーズ
    は逆に、マンネリの安心感、安定感で成功した作品ですね。既述してますが、盆と正月は寅さん…な昭和な時代がありました。旅先で出会った女性に恋をして振られる。そこに柴又の人たちの人情を絡ませる。ただそれだけのロードムービー、ホームドラマでありましたが、ただそれだけが面白い。映画シリーズ48作はたしかギネス記録?

    テレビドラマ版 *水戸黄門
    こちらもマンネリの最たるもの。助さん格さんを従えた諸国視察行脚の黄門さまが、土地土地で悪政をはたらくお代官さまを成敗してゆく勧善懲悪もの。シリーズ全作、こちらは1000回を超えている。

    *ジュラ…
    こちらはマンネリ失敗だと感じました。陸海空の恐竜のDNAを融合させたら20年長生き出来る薬が開発されるってアンタ!普段は陸で生活してて、地震が来たら空へ逃げ、台風来たら海に潜る、そんな恐竜すらクリエイトしそうな勢いはありました。

    しばらく観たい映画がありません。惜しあれば、案内ください。

  • #9

    kirokuya (土曜日, 23 8月 2025 04:29)

    惜し→推し

  • #10

    kirokuya (土曜日, 23 8月 2025 04:46)

    追記
    スピルバーグ監督デビュー作
    *激突!(1971)
    この作品は、後の*ジョーズの先がけとなる名作でした。初期作品は本当にハラハラドキドキワクワクして本当に面白かった。