☆彡映画「愚か者の身分」

 いや~よかったです。観終わった時は、どうよかったのか言葉にしにくい映画だなあと思ったけど、帰り道でいろいろ考えがまとまってくると、しみじみいい作品だなあと。

  まず、エンディングに際して大きなビックリが二つ。

 1つ目は「えっ、もう終わり?!」

 130分でわりと長い作品だったけれど、ずっと緊張感がとぎれることなく魅入っていたのですごく時間が短く感じられたのです。

 2つ目は「えっ、こういう終わり方なの?!」

 いかに自分が、ありきたりな起承転結とかありきたりなストーリーやエンディングとかいうものに毒されていたのかが大変よくわかりました。この流れだと、ラスト近くで何の罪もない由依夏(木南晴夏さん演じる、梶谷の恋人)が組織の奴に殺されちゃうよね、もしかしたら味方だと思っていたスナックのママが組織にチクってるかも。とか思った私こそ愚か者です。

  その後の展開を観客にゆだねるラストだと思ったけど、観る人によって想像する展開は違うのかな。

 組織のボスも捕まって3人は逃げおおせたように見えるけど、またボスが出所してきたら組織に探し出されてしまう、そう簡単に抜けられると思うなよという悲観的な展開。

 梶谷(綾野剛さん)やタクヤ(北村匠海さん)の居場所を警察が張ってるから彼らは逮捕される。実刑を受けたとしても短期間で釈放され、組織も警察によって解体されているからその後3人とも実直に生きてささやかな幸せを手にするという楽観的な展開。

 脳天気な私は後者の展開を予想するが、この展開によってタイトルの意味するところも変わってくると思う。前者だと「いくら真面目になろうと思っても、一度愚かな道に入ったものはその身分が染み付いて永遠に抜け出せないのだ」後者だと「生まれや育ちがどんなに不幸でも、それは単なる身分というだけであって、本人の生き方次第で明るい未来を手にすることもできるのだ」

 とても勇気のある映画だと思う。その後の展開を観客にゆだねる終わり方、それから日常的なささやかな幸せを求める人間を描くために、あれほどの暴力シーンを多用したということ。日常のささやかな幸せの象徴となるのが、タクヤの作るおばあちゃん直伝の魚の煮物であり、病で亡くなった弟への思い。それから梶谷が恋人、由依夏と交わす言葉。

「牛乳の賞味期限が切れてたから、家帰っても飲んだらあかんよ~」とか、なんだか我が家の会話みたいと思った(ノロケです)。組織から逃げてる緊迫したシーンに挿入されているのが心地よい。その緊急事態を恋人に悟らせまいとする梶谷の優しさも美しい。

 ノロケついでに映画と全く関係ない話。先日から私の終業時間が早くなったので、主人と私両方がスーパーに行ってしまうのを防ぐため、買物するときはLINEで連絡するようにしているが、先日つい連絡を忘れてスーパーに寄って帰った。5分ほど早く帰宅していた主人も別のスーパーに寄っており、なんと二人の買物の半分が重複していたのだ。

 サバ2切れ×2、まいたけ×2、朝食にトーストを食べない日用の冷凍パスタ2種類×2人分×2、魚肉ソーセージの束×2(笑)私は言った。「さすがに、おんなじ冷蔵庫見てるだけのことあるわ~」

 失礼しました。映画に戻る。「でっちあげ」に続く、2025年ベスト2の予感。でも「でっちあげ」のように、短期間のうちに続けて観ようとは思わないかな。ちょっとそれはしんどいかも。

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コメント: 9
  • #1

    kirokuya (木曜日, 30 10月 2025 03:23)

    なんとしたことか!本編上映前の映画館でのマナー説明、予告編から本編中盤あたりまで瞬間瞬間寝落ちしてました。面白くないからではなく、その時の体の欲求だったのでしょう。秒ロスはあってもしっかり捉えました。

    3人の愚か者(半グレ)のお話し。ストーリー展開は筆者さんのコメントどおり。半グレ組織から抜けだす決意をした中盤~ラストまでは、前半のグロさから一転、むしろ爽やかでした。マモルが大金持って逃げのびた海辺の町がどこなのか気になりました。旅プロの筆者さん、見当つきませんでしたか?

    綾野剛さんの押さえ気味の演技、北村匠海さん〇〇くりぬかれてのハジケ方、木南晴夏さんの大阪の若おばちゃん?らしさに注目しました。こんな子には惚れてまうがな!木南さん、豊中市(私現住)生まれ、夕陽ヶ丘高校出身。親近感わきます。好きな女優さんの一人です。映画評価3.5。

    筆者さま、旦那さま、そんな日常、我が家もあるあるです。

    11月は観たい映画目白押しなのです。
    11月7日~旅と日々
    11月14日~平場の月
    11月21日~TOKYOタクシー
    11月28日~佐藤さんと佐藤さん
    12月19日~楓
    かち合えばお話ししましょう。

  • #2

    kirokuya (木曜日, 30 10月 2025 13:40)

    筆者さんのエンディングに対する(!)ふたつ。私、スンナリでした!!

    とても善良な愚か者達ですが、
    覚〇剤を断ち切るのが難しいように…知りませんよ!…一度味しめた、また見覚えた一攫千金な稼ぎ方、そうそう簡単には忘れられないでしょう。いわゆる(反社)という身分から抜けだす希望と、見事な再デビューの可能性、二つはらんだエンディングでした。

  • #3

    kirokuya (木曜日, 30 10月 2025 13:53)

    境い目が曖昧なのですが、善良な市民なのか、アコギな反市民(反社)になるのかの想像は、観る者に委ねられたのでしょうかな!?

  • #4

    雛澪 (木曜日, 30 10月 2025 21:47)

    うーん、マモルが逃げた街はどこなんでしょうかねえ。
    ネットで「愚か者の身分 ロケ地」で検索したら「出石永楽館」が出てたけど
    えっ、映ってましたっけ???
    もしかして、マモルが逃げたのが出石なの???

    kirokuyaさんが挙げて下さった映画、好みが一致しなさ過ぎてビックリするレベル。
    私は元々洋画、特にハリウッド好みなので仕方ないですね。(綾野剛は別格)
    今年は洋画は不作です。今観たいのは「モンテ・クリスト伯」くらい。
    中学生の頃本で読みましたが、内容ほぼ覚えていません。

  • #5

    雛澪 (木曜日, 30 10月 2025 21:54)

    覚えてないといえば……kirokuyaさんの「津山=八つ墓村のモデル」コメントから
    1970年代にテレビ放映されていた「横溝正史シリーズ」に今、ハマってます。
    「八つ墓村」に続いてすぐ「犬神家の一族」を観たら、事件の舞台など
    よく似ているためか「八つ墓村」の内容が思い出せなくなり、かなり焦りました。
    一緒に観ていた主人に内容を聞いたら主人もしどろもどろだったので、
    みんなこんなもんかとホッとしたのです。

  • #6

    kirokuya (金曜日, 31 10月 2025 02:00)

    *TOKYOタクシー は山田洋次監督作品なので、行かれるかな?と思ってました。

    *八つ墓村 と *犬神家の一族 はごちゃごちゃになりますよねぇ…さらに、何回かドラマ化されて、金田一探偵を複数の役者が演じているのでぐちゃぐちゃになります。横溝正史ドラマあるあるですかね。たしか渥美清さんも演じられてましたよ。

  • #7

    kirokuya (土曜日, 01 11月 2025 04:48)

    昨昼、阪神タイガースご声援感謝の福袋を阪急オアシスで購入。食料品、冷凍食品、菓子、酒の4種類。1000円でおそらく1500円以上の物が入っている。お得感ありの中身をチラ見して、食料品をゲット~!
    夜、相方、同じ袋を提げて帰って来よった。 ダブったがな!被った商品もあるが、内容が多少違ったのでセーフ。

    牛乳やらたまごやらの賞味期限を気にしつつ、買い物被りも笑いつつ、そんな平穏な日々を由依夏 ちゃんと梶谷に送らせてあげたい。原作では続編予定だそうです。生半可な続編にはならないだろうが、梶谷、由依夏には、三宮のスナックでママと一緒にグダグダ飲んでいるワンカットは観たい。

  • #8

    雛澪 (土曜日, 01 11月 2025 15:01)

    渥美清さん主演、野村芳太郎監督の「八つ墓村」は観ました。あと、豊川悦司さん主演のも。
    やはり私の金田一耕助は、古谷一行さんです。
    山田洋次監督作品は寅さん以外も何本か観てると思いますが、気が向いたら観るくらいです。
    「TOKYOタクシー」の元ネタの「パリ・タクシー」はパリの街を楽しむ目的で観ました。まあまあよかったです。
    買物のバッティングすごいですね!
    生ものがなければよいのですが。

  • #9

    kirokuya (日曜日, 02 11月 2025 11:57)

    ー買い物のバッティングー

    結婚30年、性格、相性、趣味嗜好、生活サイクル、未だにすべて不一致ですが、金銭感覚と(始末の心)はどうやら一致してるようです。おなじ家計経済の元で暮らしているので、一致してるというより一致してきたのでしょう。
    晩ごはんは、福袋でダブった(寄せ鍋の素)で海鮮鍋らしい…