☆彡近畿地方のある雨の日について

 今日の新聞に載っていた、台風に関する奇妙な記事。

「……近畿地方でも広い範囲で雨となり、JR大阪駅前では傘を差して歩く人の姿がみられた」

 って、雨が降ってるねんから傘を差して歩くのは当たり前やん。そういう人の姿がみられたっていうより、全員傘差してるやん。

これが例えば「傘を差して足早に歩く人の姿がみられた」やったら、台風が近づいていて多くの人が早く帰ろうとしてるんやなっていう情景が浮かんでくるいい文章だ。

あるいは、雨がかなり小降りで傘を差していない人もたくさんいるような場合はこの記事通りの文章でいいと思う。

間違いではないけどなんか変な、センスのない文章が公の場に散見されることがすごく気持ち悪い。もうすっかり市民権を得てしまった「お持ち帰りできます」も正しくは「お持ち帰りいただけます」または「お持ち帰りになれます」だ。「持ち帰る」という動詞に丁寧語としての接頭語「お」をつけ「お持ち帰り」と乱暴に動詞の名詞化をしてしまったのがそもそもの発端である。私自身、10年前よりもこの言葉に感じる違和感が小さくなってしまっているのが嘆かわしい。

話は戻って、新聞記事を書くような人は文章のスペシャリストだと私は思っていたのだが違うのだろうか。こんな世の中に追い打ちをかけるようなAIの台頭によってますます人間が自分の頭で考えることをしなくなれば、まともな文章が書けない人も量産されていくだろう。

もう一つ、Yahoo! ニュースの中のCNN.co.jpで見た奇妙な翻訳。

オーストラリアで行われた映画関連のコンサートで、ピアニストが急な体調不良で弾けなくなり観客の中で楽譜を初見で弾ける人はいないかと呼びかけたそうだ。こういうことができるのってメッチャ格好いいんだけど、登壇した21歳の大学生が素晴らしい演奏を披露して喝采を浴びたという。

当日の観客の一人で、この情景をインスタグラムにアップした人のキャプションが紹介されていた。「史上最もクレージーなコンサート体験が昨夜シドニーで起きた!! ショーは続けなきゃ」(下線筆者)

いやいやそれって「Show must go on(ショーマストゴーオン)」ですよね。直訳しさえすればいいってもんじゃない。AIで翻訳したのかな。せめて英語をカタカナ表記になおすくらいでよかったんじゃないの? インスタ主さんの文章センスも台なしになっちゃってる。ついでだけど「クレージー」も「クレイジー」に直してほしい。

私は舞台に上がる人間なので、この「Show must go on」という言葉がとても好きでとても怖い。それで思い出したことがある。梅沢富美男さんの「夢芝居」もこのショービズの世界を体現していてとても好きなんだけど、その中でも「稽古不足を幕は待たない」というところが大好き。稽古不足であっても時間になれば幕は開いてしまうのだ、という意味で、それに続く「恋はいつでも初舞台」にかけている。小椋佳さんのこの歌詞作り、Show must go onを日本人の心と言葉で表現していて最高にうまいな~! とカラオケで歌うたびに思う(笑)

まだ私が若かりし頃のある日、テレビを見ていたら梅沢さんと売れっ子女性演歌歌手(今じゃ大御所の方)が出ていて、演歌歌手いわく。

「夢芝居ってホントに素敵な歌ですよね~、私大好きなんです。特にあそこ、稽古不足で幕が開かないってとこ、いいですよね~」(下線筆者)

 「♪ブラウン管の向こう側~」いやブラウン管の前の私は大きくのけぞりそして無関係ながらも冷や汗を流した。全く正反対の歌詞を言われた梅沢さんは、少し変な顔をしていたが何も言わなかった。大物だと思った。

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コメント: 9
  • #1

    kirokuya (水曜日, 03 6月 2026 04:34)

    日本語の変な言いまわしが多いと感じだして久しいですが、慣れてしまったのか洗脳されたのか、気にならなくなってきた。AIによる翻訳、英語また中国語的な文脈、若者による略語化、そんな諸々が混ざって、今、言葉が流通している。正確さを求めても埒があかん気がしているし、自分の発してる言葉すら怪しくなる。美しい日本語、上品な大阪弁…残していきたいのはやまやまなれど、随分心もとない。先の世からずっと徐々に、今のよ~に変わってきているのでしょう。突然ではなく、今もその流れに沿って流れているのでありましょう。

    もう少し考察巡らせてみます。
    出勤準備に入ります。台風どうなってるかもみとかなあかんし。

  • #2

    kirokuya (水曜日, 03 6月 2026 16:02)

    台風一家。6号さんちは行ってしまいました。

    ♪夢芝居(1982 キングレコード)
    私も大好きな曲です。好きなフレーズも筆者さんと同じ。
    …稽古不足で幕が開かない…って、誰や!笑ろてまうし、思いっきり突っ込むわ。梅沢さん、唖然としての絶句だったのでしょうね。
    まだ1982は役者現役でしたので、なおさらこの曲に共感したのでありましょう。稽古で100%苦しんで、舞台で100%楽しむのが理想なのかも知れませんが、いつも理想とは程遠く、綱渡り、冷や汗もんなことばかりでした。が、そこは
    ショウマストゴウオン!

    「バ先」ってわかりますか?
    初めて耳にした時、手羽先の略語?って思ったのですが、それにしては前後の辻褄が合わない。すぐに「バイト先」のことなんやと気付き脈絡が通じた。「バイト」自体が略語なのに、さらに略すのか!そんな今の若者言葉も市民権を得て、普通に流通してしまったら怖い。

    とある日、居酒屋で…
    ブラックkirokuya:とりあえず生中2つ。
    kirokuya:アテは、枝豆と造り盛り合わせ。ブラックは?
    ブラックkirokuya:ふん…また決めてから言うわ。
    バイト風店員:ご注文繰り返します。〇と〇と〇でよろしかったですか?
    …よろしかったですか…?これには未だに馴染まない。気色悪い!

  • #3

    kirokuya (水曜日, 03 6月 2026 16:06)

    台風一過って言い方も今しないよね。

  • #4

    雛澪 (水曜日, 03 6月 2026 22:56)

    下戸の私からすれば「生中」もか~なりの略語でありんす。

  • #5

    雛澪 (水曜日, 03 6月 2026 23:11)

    生中を何杯も頼むのなら生大にしたらええのに……えっ、生大や生小はないんかいな。
    生中……そんなに昔からある言葉じゃないですよね。居酒屋の出現とともに現れた?
    居酒屋は私が高校生くらいの頃に林立しだしたように思います。
    それまでの「お酒飲む場所(健全な)」といったらバーとかスナック、小料理屋でしょうか。

    外来語や外国語の多用についてもよく問題になりますが「Show must go on」のように
    直訳しても意訳してもうまくニュアンスを表しきれない壮大な言葉に関しては
    外国語のままがよいと思っています。「アイデンティティ」もそうです。

    パソコンが普及して、新造語がいろいろ発生しましたが、だいたい好きではありません。特に気持ち悪いのが「サクッと」「サクサク」という言い方。
    それって擬態語? 擬声語? どちらにしても合うてないし。
    逆に「マウス」はめっちゃうまいことつけたなあと思います。
    パソコンが普及してから世界中に数億匹、ネズミが増えたかと思うとすごいことです。

  • #6

    kirokuya (木曜日, 04 6月 2026 02:33)

    生中、略語、成る程。ナマチュー、ナマビールノチュウジョッキが正式なのか?いつ頃一般的に使われだしたのかの記憶はない。推測できるのは、老舗のビアホールには、大、中、小のジョッキが揃ってて、美味しく飲み切るまでの発泡加減から、中をオーダーしてました。

    居酒屋の始まり。これも推測ですが、江戸時代、その頃が舞台の時代劇によく出てくる一膳飯屋、これだと思います。飯屋と居酒屋が未分化な飲食店。木枯らし紋次郎が汁かけ飯をかっ込んでる横で浪人風情がチビチビ飲んでる、そんな店。調べてみます。
    個人的には新参のツルツルピカピカな店より、古い汚い店が好きです。タッチパネルたら、モバイルオーダー?たら…あきまへん。

  • #7

    雛澪 (木曜日, 04 6月 2026 21:34)

    「生中」は元来の居酒屋(木の実ナナさんが唄ってたやつ)とは違い、
    学生も行くようなチェーン展開の居酒屋が発生した頃からの言葉だと思います。
    それ以前には「とりあえずビール」って言葉がありましたからね(笑)
    私が学生の頃は居酒屋チェーンといえば「百番」だったけど、いまじゃ「飛田百番」
    にその名を残すのみなのでしょうか??

  • #8

    雛澪 (木曜日, 04 6月 2026 21:38)

    百番、めっちゃ少ないけど今もあるみたいです。

  • #9

    kirokuya (金曜日, 05 6月 2026 14:35)

    百番、地元にあります。今、絶賛解体中のセルシーのオープン(1972)以来ずっと盛業、(千里の台所)なんて強気な副店名つけとるだけのことはある。
    飛田百番、正確には、鯛よし百番、姉さん、よくご存知でしたね。元遊郭で、今、登録有形文化財。一応(料亭)かな。そんなに敷居の高い料金設定ではないのですが、まだ入ったことはなく、訪問リストに挙げたままになってます。

    ♪そうねダブルのバーボンを、遠慮しないでいただくわ♪
    *居酒屋(作詞:阿久悠)のワンフレーズ。なんか違和感ありません?居酒屋でダブルのバーボン、たしかにオーダーしたら出してくれるかめ知れんけど、そんなイキリ(大阪弁)な女性見たことない!阿久さん、曲名*バーでは語呂が悪いので、敢えてのネーミングなのでしょう!?

    台風一過、即梅雨入りて…キツイわ。