☆彡旅に出られる。その幸せ

 

「旅に出られる。その幸せの大きさを北の大地で味わっています」(JRポスターより)

 

旅することが贅沢やレジャーではなく、生きることそのものだという人は私のほかにも結構たくさんいると思います。青春18きっぷ2020年夏のポスターは泣かせる。

今回の風景写真はJR北海道の美馬牛(びばうし)駅。「うつくしい馬と牛」広大な大地を耕し、自然を崇拝し自然を畏れ、動物や植物とともに生きてきた北海道の人ならではの素晴らしいネーミングだと思います。

北海道の地名にはアイヌ語にルーツを持つものが大変多いです。19歳で初めて北海道旅行した時は、次々に現れる聞いたことのないような音色で構成された駅名にびっくりしたものです。この美馬牛という地名も、元はアイヌ語の「ピパウシ」から来ているそうで「カラス貝の多くいるところ(川)」という意味だそうです。それにこのような漢字を当てはめるとはなんて詩的なんだろう。

ちなみに「北の国から」以降、乙女たちから絶大な人気を誇る、ラベンダー畑で有名な北海道屈指の観光地「富良野(ふらの)」は、アイヌ語で「臭いところ」という意味だそうです。どっひゃーん!! 昔は川から臭気を発していたそうです。さかな臭かったのかな。これもかなり詩的だなあ。「良く富める野」だもんね。

 

 

2018年に夫と旅した思い出の「抜海駅」はじめ、宗谷本線の十数駅が来年春には廃止になるそうです。さびしいですが、たとえ廃線・廃駅が増えても、貧乏旅行の味方・ワイド(ニューワイド)周遊券がなくなっても、夜行特急・急行がなくなっても、ツーリングトレインがなくなっても、北海道は私の人間性や冒険心を育ててくれた第二の故郷に変わりありません。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます(北海道の神様に)

 

 美馬牛の語源を調べていて、素晴らしいサイトに遭遇したのでよろしければ見てみてください。この人何者だろう。北海道研究家?

 

https://www.onitoge.org/index.htm

 

 鬼峠さん(って名前なのかな?)の書いていた文章でめちゃくちゃ共感する一文。

 

『よく駅の写真は駅前広場側から撮られますが、これも変な話で、旅人にとっての駅の正面はホーム側であるはずです』

 私は駅がとても好きなので中からも外からも写真を撮りますが、まさしく旅人にとってはホームが始まりなんです。不安と期待にときめきながら初めての地に足を踏み入れる時、何年ぶりかで懐かしい大好きな土地を訪れる時、長い旅を終えて快い疲れと思い出を抱いて故郷の駅に降り立つ時、すべてはホームからなのです。そして19歳の私が学んだこと。駅には、出口はあるけど入口はないのです。知っていましたか? 駅とは、出ていくところ。ある場所とある場所を結ぶ列車の旅、そして新しい街で待っている希望や出会いや体験を探す旅人にとって、駅とはいつも出口であり、スタートなのです。