☆彡映画「ブリット=マリーの幸せなひとりだち」

「ブリット=マリーの幸せなひとりだち」を観た。ストーリーはまあまあなのだが、ディテールが雑な映画だった。神は細部に宿る、とはよく言ったもので、感動的な素材も切り方や味付けや盛り付けがよくなければ美味しい料理にはならないと実感した。

 この映画は本編97分だが、あれだけの内容を描くには短すぎる。観客の願う通りにばかり都合よく話が展開していき、説得力が全くない。ブリット=マリーが育った家族の歴史にまつわるトラウマの描き方も簡単にあしらわれ過ぎている。終演直後に二人組の中年女性が「面白かったなあ」と言ってたがその程度だ。本当に心から面白かったり感動したりしたらあんなサラッとした言い方にならないし、私なんか映画館を出る前に感動が言葉になることもあまりない。主演女優と恋人役の男優が結構よかったのでとても残念だ。
 エンディングのパリの街を描いた切り絵風のアニメーションは秀逸。

 映画のあと、ダッチベイビー(生まれはドイツだがアメリカで大きく育ち過ぎたみたい。クレープとパンケーキの間みたいなの)を食べに行った。思いっきりホイップバターを塗って、レモンを4分の3個分もしぼって、粉砂糖をかけてくれる。すごくおいしいけど、後半になるとレモンは半分くらいの量のほうが生地のおいしさがもっと引き立ったかなあと思った。おなか一杯過ぎて晩ご飯はなしだった。甘くて大きいものを修行のようにひたすら食べている時に日本人と欧米人の生物的な違いのようなものを感じるのは私だけだろうか。