☆彡やってもうた日

 出囃子の合わせ稽古に行って、三味線のさわりがなかなかつかないのでおかしいなあ……と思ったらナント上駒(かみごま)が飛んでなくなっていた。以前から時々上駒が浮いているような気がすることがあり、そのたびぎゅっと押し込んでいたのだが、とうとうこんなことに。

 ご存じない方のために解説すると、「さわり」とは三味線に特有の仕組みで、音を出した時にびよよよ~んとのびる響きのこと。ビビリ音ともいう。一種のノイズである。三味線の前身である沖縄の三線(さんしん)にはさわりの仕組みはない。この「さわり」の良し悪しが三味線の音を決める大切な要素にもなっている。ちなみに、ICレコーダーなどに録音した三味線の音を「ノイズカット」設定で聴くとさわりの音は省かれてしまい、なんとも味のない三味線になってしまうのだ。そして、そのさわりを生み出すために必要不可欠なのが上駒なのです。

 まあやってもうたことは仕方がない、と無難に出囃子の稽古を終え、絵の教室へ。先生と約束していた、12月に高槻現代劇場で開催の津軽三味線ライブ(当初4月開催予定でチケットも買っていたのだが、延期・払戻しになっていた)のチケットを買いに劇場へ寄ったところ、今日の午前中で完売ですと!

 まあ売れてもうたものは仕方がない、と絵画教室に行ったところ、ナント先生に見ていただく絵を家に忘れてきているではないか。家で描いている絵を持参して先生に指導していただき、先生のアドバイスに基づいて家でまた描き直す、という流れの教室で、指導していただいた残りの時間は私は主にスケッチブックに別の鉛筆画を描いたりしているのだ。今日は朝から夜まで複数の場所でいろんな用事があり、それぞれ荷物もあるからスケッチブックを忘れたらあかんなと思っていたのだけど、スケッチブックだけ入れて肝心の絵を忘れるとはトホホ。

 まあ忘れたものは仕方がない、と先生にも正直に話したが待てよ……これじゃまるで夏休みの宿題の絵を描いていなかったので、始業式の日に「持ってくるのを忘れました」と言い訳した中学2年の頃の私みたいじゃないか。今回はちゃんと描いているのに。ホントに描いたんです先生! 私は信じてもらおうと「先生に見ていただいてから直したいので、次の教室の日まで今の絵はそのままで、別の絵をもう1枚描いてきます」と言ったが、さぼっているのをごまかすために言い訳の上塗りをしているように聞こえたのではないかと今頃になって気にしている。

 ちなみに、中学2年の始業式の日は担任でもあった美術の先生に「じゃあ先生は待ってるから一度家に帰って絵を持って来なさい」と言われてしまった。先生恐るべし。そして家に帰って10分くらいで水彩画を描いて持って行った私も恐るべし。今から思えば絵具の乾き具合を見たら慌てて描いたことなんかバレバレだったでしょうね。でもそこであきらめて白状して謝ったり、学校に戻るという先生との約束を破ったりしなかった中学2年の私はちょっとすごいと思う。何とかして帳尻を合わせる、ということが人生においてはとても大事なのだ。まあ偉そうにいうことでもないけどさ。

 そして後日クラス全員の夏休みの絵が教室に貼りだされることとなり、私の描いた、いわさきちひろ風水彩画「公園と自転車」はあまりのヘタさによそのクラスからも見学者が訪れるほど有名になったのです。

 

 さて ♪ちょうど夜の三味線教室の時間となりました~。これ以上「やってもうた」が増えないことを祈りつつ、行ってきます。

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コメント: 2
  • #1

    まりこ (土曜日, 14 11月 2020 20:17)

    おもしろーい^ ^�(笑) 
    です^ ^

  • #2

    雛澪 (月曜日, 16 11月 2020 00:00)

    まりこさん、こんな失敗をするたびに「ええネタができた」と思う私は
    間違いなく大阪人です。