☆彡必殺! 修行シート

 芸の世界は一生勉強と言われます。私などのようなヒヨッコは教室で教えながらも師匠について学んでいるし、私の師匠はすごくレベルの高い師匠ですが三味線の他のジャンルの師匠についてずっと習っておられます。

 出勤前のひととき(私は会社員でもあるのだ)夫が朝ご飯を用意してくれている間になるべく11時間は練習しようと心に決めているのですが、なかなかキッチリ時間をとるのも難しく、短時間の練習でやった気になってしまっているのが現実。

そ・こ・で(通販番組だとここでアイキャッチ)このたび私が開発した「必殺! 修行シート」の登場です。修行状況を「見える化」し、達成感を味わうとともにより身を入れた練習が可能になる素晴らしいアイデアでございます。

作り方はとっても簡単。まず1年を365日として、365個のマスをエクセルで作成します。私は細分化できるように、1つのマスをさらに破線で4分割しています。あくまでも365個のマスということで、日にちなどは入れません。ただ進捗度合の目安になるように、月ごとで行替えはした方がよいかもしれません。何月という数字は入れません。そして、15分単位で実際に練習した時間を色で塗っていきます。1時間練習したら破線で4分割された1マス分が塗り潰されるということです。練習でなく教室に行った日やライブで演奏した日は色を変えてもよいでしょう。

 ここでの大きなこだわりは、何度も言いますが「何月何日の練習はこのマス」という意識はせず、ひたすら弾いた時間分だけを順に塗り延ばしていくということです。私の大好きな「最終的につじつまが合えば合格」方式です。やらなかった日を空白にしておいて後で反省だけをするのではなく、やらなかった分は別の日に長く練習して埋め合わせをする、365日で365時間すればよいから、30分しかできない日はそれでよいし、時間ややる気のある日に多めに練習して稼いでおくこともできるのです。

 この方式だと、今の「だいたい毎日練習するけど時間的には完全に不足している」という状況よりも飛躍的に1年トータルの練習時間は増え、練習できなかった日の罪悪感も払拭できるはずです。人間は、何かに色を塗ったりシールを貼ったり〇をつけたりハンコを押してもらったりして実行した量が目に見えて増えていくのが大好きです。小学校の時の「夏休みの友」とか「ラジオ体操カード」を思い出してください。

 さて、ここまでくると「練習は量じゃない。質だ」「頭を使わずにめくらめっぽうに練習しても意味がない」と反論される方もいらっしゃるでしょう。しかし私がなぜこんなに「費やした時間」にこだわるのかにはきちんとした理由があります。

その1.計算ドリルや漢字ドリルのように、単純な反復訓練を行うことは教育学的に大変意味があると実証されている。

その2.めくらめっぽうの反復練習(いわば体をつかった練習)ができないのに頭を使った練習などできるはずがない

その3.練習に割く時間を機械的に決めておくことで、やる気のないときでもなんとか練習することができる。あまり身の入らない練習であったとしてもやらないよりははるかにまし。またその中でやる気が回復したり新しい発見があったりもする

その4.なぜこんなに多くの時間、規則を決めてまで練習しなければならないのか、という疑問を挟む余地なく行うということはそれ自体が一種の修行である。

その5.これだけやった、と時間数で確認できると単純に楽しい。

 

修行シートの本格始動は2021年初頭として、とりあえずこの12月はトライアルでやってみます。