☆彡ウズラをなめるな!

 今日八宝菜を作ろうと思ってうずらの卵を買いに行った。考えてみれば、うずらの卵を購入したのは今までの人生でこれが二度目くらいだ。そもそも一般家庭でうずらの卵を使うのって、ひな祭りの時のちらし寿司をお雛様みたいな形にして、うずらのゆで卵を上に載せてお雛様の顔にする時くらいなもんじゃないだろうか。うちは子供がいないのでお雛様のちらし寿司を作る機会もないのだ。

 普段はたとえ八宝菜もどきみたいなおかずを作ってもうずらのゆで卵を使うことなんてなかった。今日はちょっと真剣に八宝菜を作ろうと思って買いに行ったのだ。うずらの生卵10個入りで165円。わお~小さいのに高い。ワンタッチで使えるうずら卵の水煮は280円。ここで100円ちょっとをケチったのが今日の悲劇の始まりである。

 ニワトリのゆで卵を作る時に、沸騰したら火を止めてそのまま数十分くらい置いておくという方法がある。地球に優しい余熱調理法である。うずらの卵はすごく小さいからポットのお湯くらいでいいんじゃないかなと思い。小鍋にお湯を入れてうずらの卵を10個入れ、カップ麺のようにお皿で蓋をする。放置したまま野菜をカット、豚肉を炒めてから卵の殻を剥こうとしたが、中身がまだ柔らかすぎて殻にくっついてきてしまう。ありゃりゃ~、もうお湯も冷めているから捨てて、再度ポットからお湯を注ぐ。野菜を炒め始めて卵の殻を剥こうとしたが、まだダメ。三回め熱湯を注ぐ。

 そうこうしているうちに夫が帰ってきたのでこれ幸いとバトンタッチ。「まだ中身がフニャフニャやで~。剥いたら身までくっついてくる」と夫。ええい小さいのにしぶとい奴め。仕事を終えたばかりの夫を捕まえ「薄皮を取ったら中身が流れ出てもったいないから、薄皮はつけたまま剥いて~」と無理難題を言う。4つ剥いたところで夫もギブアップ。 仕方なく4つだけ八宝菜に入れることにし、残りは後で何とかすることに。

食べながら夫「ところでうずらってどんな鳥なん?」

私「これくらいの」とラグビーボールくらいの大きさに手を広げて「コロンとした鳥やろ」

明らかに天然記念物のライチョウもしくはホロホロ鳥と間違っている。

 夫「そんなに大きな鳥やのに、卵は小さいねんな」

 私「ほんまやなあ」 無邪気なものである。

 結局残りの6個は改めてお湯で茹でることになった。最初からそうしておけば……。

 夕食後、クックパッドでうずらの卵のゆで方を知る。最初からそうしておけば……。

 そしてウィキペディアで「うずらとは」と調べる。体長20センチであった。

 

 余談だが、懐メロの「旅の夜風(映画「愛染かつら」の主題歌)」に「泣いてくれるなほろほろ鳥よ」という歌詞があるが、あれは作詞家の西條八十先生が「ほろほろと鳴く山鳥の聲聞けば(以下略)」という古歌から取ったイメージで作ったのであって、後日南米原産のホロホロ鳥の写真を見た八十先生はびっくり仰天したそうです。

  ところで、子供の頃「花も嵐も~踏み越えて」を「花も嵐も~海越えて」だと思ってませんでしたか?

コメントをお書きください

コメント: 4
  • #1

    かんちゃん (木曜日, 11 2月 2021 22:31)

    そういえばうずら卵を家で茹でてるの見たのはン10年も昔のこと。まん丸のメンチカツの中心核に入ってたよ。

  • #2

    雛澪 (金曜日, 12 2月 2021 13:57)

    かんちゃん、メンチカツにうずら卵はおいしそうやなあ。火の通りもよくなるしgood!
    うずら卵はおいしいし栄養もあるから好きなので、今後も使っていこうと思う。
    ちなみに、クックパッドによるゆで方は「沸騰して2分、火を止めて2分放置」でした。

  • #3

    まりこ (土曜日, 13 2月 2021 14:50)

    毎回、本当に楽しく素晴らしい文章で読んでいて笑ったりワクワクしたり�

    本を出して欲しいです^ ^
    知識も入り^ ^いつも楽しみにしてます。

  • #4

    雛澪 (木曜日, 18 2月 2021 10:48)

    まりこさんありがとう! 
    こういう軽いエッセイ的文章は赤瀬川原平さんに学んだと思う。
    今後もご期待くださいませ~。