☆彡映画「ヤクザと家族 The Family」綾野剛さんのこと

 「ヤクザと家族 The Family」を見た。綾野剛という人はいい役者だなあと改めて思った。

 役者でも演奏家や噺家のような芸人でも「たたずまい」というのがとても大切だ。その人の芸に対する考え方であるとか志、人生に対する取り組み方、人間的な品性のようなものが無意識に現れている様子とでもいうのだろうか。雰囲気というほど表面的なものではないし、オーラと呼ぶような軽いものでもない。芸の上手い下手もあまり関係ない(注:綾野剛さんは上手いと思います)。日々の行動や思考の積み重ねによってのみ身に着けることのできるものではないかと思う。

 若手の役者の中でいえば、妻夫木聡さんと池脇千鶴さんの演技がピカイチで上手いと思っている(若手以外も含めて上手い人となると、数限りなくなってしまうので)のだが、よいたたずまいを感じさせる人といえば綾野剛さんと渥美清さん。あっ渥美さんは若手じゃないか(笑)

 ちなみに、このブログのアップが前回から1か月くらいも空いてしまったのは、映画のあと勢いあまって動画配信サービスで「ひとり綾野剛祭り」を開催していたから忙しかったのであります。

 

 

 せっかくなので映画の感想も。剛くん、舘ひろしさんはじめ、すべての役者さんたちすごくよかったです。剛くんが海に笑顔で沈んでいくシーンは、天涯孤独とも思われた彼が本当は(ヤクザの一家の人だけに限らず)血のつながらないいろんな人たち=「家族」に囲まれていたんだということ、そしてその大切な家族を守る生き方ができたということなのかなあと思いました。そして唯一、血のつながりのある娘さんの行動も心温まるもので、悲劇的であっても悲劇ではない本当にいい映画だなあと思いました。

 以前の私はものすごくハリウッド志向だったのだけど、ここ数年は日本映画の方がよく見ている気がする。日本映画、特に若い役者さんたちも製作の人たちもすごくいいものを作っているなと思うことがしばしば。反面、ちょっとハリウッド映画が物足りなかったり期待外れだったり、かな。いやこのままでいるはずがない。Nフリとかに負けてないで映画頑張れ!!