☆彡一流の条件

 関西テレビの朝の「よ~いドン!」を見ていたら瓦職人の人が出ていた。文化財などの瓦修理も請け負っているそうだ。姫路城の修繕に関しておもしろいことを言っていた。

「自分より未熟な職人が(何百年も前に)作った瓦を修理するのはとても大変だった。反面、技術力の高い職人が作った瓦を修理するのはとても楽しかった」

 これを聞いて思い出したことがある。今から10年近く前、藤本流の大きな演奏会に参加した。大阪府下全域の各一門の人たちが多数参加する会だったのだが、その演奏会の中で、大阪藤本会の中でも「三羽がらす」と呼ばれる有名な大先生グループの中の一人、T先生の隣で三味線を演奏させていただく一幕があったのだ。

 合奏の時は一幕ごとに主催者から決められた座席に座るのだが、なんでT先生がペーペーの私の隣なのかという疑問はさておいて、私の緊張は頂点に達していた。

T先生の隣なんて、緊張して音出されへん……。ヘタなことして冷たい目で見られたらどうしよう」と私は泣きそうだった。

 ところが、演奏が始まるとさっきまでの緊張はどこへやら。T先生の音を聴きながら隣で演奏するのはものすごく演奏しやすくて、いつもより上手に弾けるではないか! 私は本当にビックリした。そして心から楽しんで演奏した。一流の人は自分が上手というだけではなく、このように周りの空気ごと変えてしまえるのだなあということがよくわかった。自分がそこまで到達できるかどうかはともかく、そういうことを意識して取り組んでいくことが大切だと思った。

くだんの瓦職人さんは「自分の作った瓦を見て、数百年後の人が‘上手な職人さんやなあ’と言ってくれたら幸せ」と言っていた。素晴らしい。

 

全く別件であるが、別の番組で堺の職人さんが言ってた大好きな言葉がある。

「時間かける仕事にロクな仕事はありまへん」

私はこの言葉を、三味線関連の企画やミーティングの時はもちろん、会社(一般企業)

での毎日の仕事でも常に頭において行動しているのだ。

 やっぱり一つの道でずっと修行を続けている職人さんの言葉はどれも深いなあ。

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コメント: 2
  • #1

    まりこ (木曜日, 17 6月 2021 18:53)

    今回も素晴らしい内容ですね�
    凄く良くわかります^ ^

    私のダンスでも同じで、上手な人と踊ると見映えが全然違います^ ^

    感慨深いものがありますね^ ^�

  • #2

    雛澪 (木曜日, 17 6月 2021 22:29)

    そうですね、上手な人は自分を引き上げてくれますよね~。
    まりこさんも舞台の世界を知ってるので、こういうことがわかってもらえて
    うれしいです。