☆彡映画「テノール! 人生はハーモニー」

 芸術作品におけるリアル、リアリティについて時々考える。
「男はつらいよ」でいえば、博、さくら、光男一家の日常を描いた部分はものすごくリアルだし、私が最初に惹かれたところである。光男と恋人、泉の関係もしかり、おいちゃんおばちゃんなど市井の人々を描いた部分がそうだ。
 ところがこれが、寅さんの登場、特に女性との絡みとなると

一気におとぎ話になる。寅次郎という鼻持ちならない男(身近にいたら恐らく大迷惑)が愛されるのは、おとぎ話の故であろう。    

 柴又に帰省した寅さんがトラブルの元になるのは、市井の人々とおとぎ話の主人公が相容れないからであり、最大の理解者であるはずのさくらでさえ市井の側に立っての理解にすぎない。

 甥の光男だけが理解という方法でなく寅さんへの憧れという方法を確立しているがため、市井とおとぎ話をつなぐ唯一の存在たりうるのだ。
 前置きのつもりがつい熱く語ってしまいましたが、映画「テノール!」の話です。全体を通して「そんなうまくはいかんやろ~」「そんなに早くはわかり合えないやろ~」「あららそういう展開なのね」などご都合主義のオンパレード。でも愛すべき映画でした。
 芸術におけるリアリティと現実世界におけるリアルは別物なので、そこに物語が感じられればそれでよいのです。
 ラストの兄貴の一言が全てを語っている、よい映画だと思いました。

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コメント: 6
  • #1

    kirokuya (月曜日, 24 7月 2023 02:33)

    男はつらいよ について、リアルとおとぎ話に分けての分析。あぁそういう見方があるのか!とスンナリ納得してしまいした。なるほどな。

    見逃していた お帰り寅さん 観ました。光夫と泉の再会~恋の再燃~そして再びの別れ。空港での抱擁は恋の成就であったのか?
    寅さんとリリーの追想シーン~リリーの昔語り。こちらも甘酸っぱい恋だったのですね。

    歴代マドンナ総出演させた監督のサービス精神に感服。グランドフィナーレ、たっぷり楽しみました。

    あぁ…熱く語りはじめ、また本題から外れてもとるがな!

  • #2

    kirokuya (月曜日, 24 7月 2023 04:57)

    訂正
    光夫→満男

    追記
    昭和の女優名鑑な感じでもありました。旬な時にキャスティングされてて、皆さんホントに美しい!
    さくらとリリーの今昔、あぁ無常…

  • #3

    雛澪 (火曜日, 25 7月 2023 09:21)

    「お帰り寅さん」劇場で2回観ました。
    さくらとリリーさん、今でも充分美しいですよ~。

    なんかしらんけどずっと光男と思ってました (^_^;)
    吉岡秀隆くんは大人になってからもすごく味のあるいい役者さんですね。
    幼少期の満男が寅さんたちに「大人の話に首を突っ込むな」みたいなことを言われて
    みんなが喧嘩している隣の部屋で泣くシーンがあった(うろ覚えで間違ってるかも)
    のですが、今までに観たどんな子役の演技よりも上手くてびっくりしました。

    なんで満男と泉ちゃんは結婚しなかったのかなあ。忘れたなあ。
    1997年公開の「特別編」をもう一回観たらわかるかなあ。
    栄水さん(私の夫)はついに48作全作品踏破しましたよ。残るは「特別編」のみ。

  • #4

    kirokuya (火曜日, 25 7月 2023 12:48)

    満男と泉が結婚しなかったのは、お帰り寅さんで触れられてなかったかなぁ…?ついこないだ観たとこやのにもう忘れてるし!
    そうですか、師匠全作品踏破ですか。やられた~~

    確かに、吉岡秀隆さん北の国から?の頃から、抜群の演技力でしたね。寅さんとどちらが先なんやったかなぁ…も忘れてもたわ。トホッ…

  • #5

    雛澪 (木曜日, 27 7月 2023 15:49)

    観てものすごくよかった映画なのにすぐ忘れるのはなんででしょうね~
    私もいろんな映画、覚えてないのがすごく多いです。
    吉岡さん、寅さんが先だと思い込んでたけどそういえば「北の国から」
    の時も最初は子供でしたよね。どっちが先なんやろう。

    最近観た寅さんのDVD(たぶん40作目以降)で、レコード店に就職した
    泉ちゃんが満男の家に遊びに来て、博から「最近はどんな歌が売れてるの?」
    と聞かれ「石狩挽歌」を口ずさむシーンがありました。
    でもよく考えたらこの曲は私が小学校卒業前くらいの曲だから、
    私より年下の泉ちゃんが就職した頃に流行ってるっておかしいんです。
    ちょっと記憶があやふやなんで、DVDチェックしなおしてみます。

  • #6

    kirokuya (金曜日, 28 7月 2023 12:58)

    脳細胞の減少、劣化で日々忘れていくことの方が多いのですが、逆に遥か昔のことが、日々のふとした事象がきっかけで、思い出したりすることがあります。名前も忘れている高校同期の女性とのエピソードとか、観た記憶さえなくなってる映画のワンシーンとか……記憶中枢ってホンマ人知では計り知れんなぁ……

    読者熱望ーリクエストー
    当ブログ初(?)のリクエストです。
    ①女はつらいよ葛飾柴又編
    ②昭和歌謡カラオケ大会石狩挽歌熱唱編
    もつろん①②実行されてたら…ですし、お時間にゆとりのある時で結構です。却下されてもブータレたりはしませんし(^-^)/