☆彡東京旅行記 その3

2023719

 昨日の朝購入した「東京メトロ24時間券」で上野へ。この切符は本当に優れもの。普通はフリー切符といえば日券だが、使用開始から24時間乗り放題なので日にわたって利用できた。ありがたや~。

 東京都美術館の「マティス展」を観る。マティスはセザンヌに次いで2番目に好きな画家。この旅の直前に「マティスとピカソ 芸術家の友情」を読んだ。古本屋さんで購入して30年近く放ったらかしてあったのだが、この機会にと思って手に取るとつい先日百何歳かで亡くなったフランソワーズ・ジローの著書だった。なんだか因縁めいたものを感じてわくわくした。

 ジローはピカソの愛人(結構長きにわたって同居し子供も二人いた)であったにもかかわらず、この巨匠がかんしゃく持ちで変人で嫉妬深い子供みたいないやな奴だったということが描かれていて面白い。それに引き換え、マティスのことはものすごく穏やかで上品で懐の広い好人物として描かれている。ジローは40歳年上のピカソよりも52歳年上のマティスのことが好きだったんじゃないかな。

 気づいたら、マティスの制作風景を映したモノクロ写真のポストカードばかり買っていた。作品も素晴らしいけど、人間性が外見ににじみ出ているようなマティスそのものが私も好きです。

 美術館を出て、富士そばにて夫の念願であった「東京の真っ黒いおうどん」を食べる。私は月見うどん、夫はたぬき。おーっと!(夫だけに)関東のたぬきはおあげさんじゃないよ。天かすだよ。関西でたぬきといえばきつねうどんのおそば版で、ふっくら甘いおあげさんが浮かんでいるけど、そうじゃない。でもなぜか卵の入っている月見うどんよりも天かすの入っているたぬきうどんの方が高かった。なんでやろ。天かすなんか、関西やったらタダで入れ放題なのに。夫は若い頃、駅の立ち食いうどん屋さんでは素うどんをたのんで天かすを山ほど入れて食べていたそうだ。それから、関東の人の前で「天かす」と言ったら怒られる。「あげだま」と言うらしい。うーん、どう考えてもエビの天ぷらを揚げた時のカスやと思うけどな。ちなみに、東京のおうどんは夫が期待していたほど黒くもなくからくもなかったそうです。たぶん彼の中で想像がどんどん膨らみすぎていたのでしょう。

 上野から葛飾柴又へ。私の愛する車寅次郎様の聖地です。夫もついに寅さん48作制覇しての旅。もちろん高木屋老舗さんで草団子を食べました。そして帝釈天で(産湯は使ってないけど)寅さんおみくじを引いて、寅さんと源ちゃんが走り回って午前様に叱られた回廊とかも見て、寅さん記念館と山田洋二ミュージアムを見学。

 この日はコージーコーナーでケーキを買って帰ってホテルで食べた後、中華屋さんで晩ご飯でした。

※その4へ続く※

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コメント: 3
  • #1

    kirokuya (水曜日, 02 8月 2023 19:11)

    寅さん記念館と山田洋次ミュージアム、存命中には行ってみたい所のふたつです。

    1973 初東京で初下車が上野だったと思い出せます。そこから御徒町まで歩いたような記憶がありますが、何で歩いて行ったのか、何をしに行ったのかの記憶が海馬から消えてます。

    その3のツボ
    雛澪:私は月見うどん、夫はたぬき。
    おーっと!
    kirokuya:(大木こだまさんの口調で)
    腕あげたやないかえ…


  • #2

    雛澪 (土曜日, 05 8月 2023 16:00)

    関西人には読めない地名№1「御徒町(おかちまち)」ですね。
    №2はもちろん「等々力(とどろき)」でしょう。
    私は大阪生まれの大阪育ちですが、東京の地名や街歩きにすごく憧れがあって
    寅さんの口上で一番好きなのが
    「四谷赤坂麹町ちゃらちゃら流れるお茶の水イキなねえちゃん立ちしょんべん」
    です。
    前世は江戸っ子だったのだと思います。

  • #3

    kirokuya (日曜日, 06 8月 2023 02:16)

    私もコテコテの大阪のおっさん(じじいやろ!)ですが、江戸風情は好きです。
    寅さんの香具師口上、絶品でしたね。あと、咄家では江戸っ子の権化古今亭志ん朝さんの立て板 に水の喋り口調、まさに名人芸でしたよ。

    そうや!姉さんの文章、江戸っ子やん。